恒等式を利用して、多項式の割り算の余りを求める問題のポイント:式と証明

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恒等式を利用して、多項式の割り算の余りを求める問題のポイント

  • 整式の除法の結果から、別の整式で割った余りを求める問題です。
  • (割られる整式)=(割る整式)×(商)+(余り)から恒等式を導き、解きます。

多項式の割り算の余りを求める問題

ある整式をで割ると余り、で割ると余った。
この整式をで割ったときの余りを求めなさい。

恒等式を利用して、多項式の割り算の余りを求める解法の手順

  1. 割られる整式をで割ったときの商をと置きます。
  2. で割ったときの余りを、文字を使って表します。
  3. ,と余りを使って表します。
  4. を、与えられた除法の結果を利用して表します。
  5. 3と4で表した式は恒等式になっているので、これを解きます。

多項式の割り算の余りを求める問題の解説

恒等式を利用することで、元の整式を求めずに余りを求めることができます。
ある整式をとします。で割ったときの商をと置きます。
は3次式なので、で割ったときの余りは
と表せます。(余りが1次式の場合は、定数の場合はとなります。)
(割られる整式)=(割る整式)×(商)+(余り) となるので、


となります。

次に、与えられた除法の結果を式で表します。
で割ったときの余りを考えると、
を因数に含むので、 で割り切れます。
よって、で割ったときの余りは
で割ったときの余りと等しくなります。

はともに2次式なので商は定数となり、
よりの係数がなので、商はとなります。
このことと、余りがであることから

と表せます。同様に、で割ると余ることから、定数を用いて

と表せます。
に関する恒等式になっているので、それぞれの右辺を展開して係数を比較すると

が得られます。 これらの式を連立方程式として解くと、
よりに代入してに代入してに代入してとなります。よって以上のことから求める余りは

参考

チャート式 数研出版

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