「徒然草:名を聞くより」の現代語訳(口語訳)

「徒然草:名を聞くより」の現代語訳になります。学校の授業の予習復習にご活用ください。

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「徒然草:名を聞くより」の現代語訳

 名を聞くより、やがて面影は推しはからるる心地するを、見る時は、またかねて思ひつるままの顔したる人こそなけれ。
名前を聞くやいなや、すぐに(その人の)顔つきが自然と推測される気持ちがするのに、(実際に)会って見る時は、また以前から思っていたままの顔をしている人はいないものである。

昔物語を聞きても、このごろの人の家の、そこほどにてぞありけんと覚え、人も、今見る人の中に思ひよそへらるるは、誰たれもかく覚ゆるにや。
昔物語を聞いても、(物語の中に出てくる場所は)現在の人の家の(ある)、その辺りであったろうと思われ、(その物語に登場する)人も、今見る人の中に(きっとあんな人であったろうと)自然に思い比べられるのは、誰もこのように感じるのであろうか。

 また、いかなる折ぞ、ただ今人の言ふことも、目に見ゆるものも、わが心のうちも、かかることのいつぞやありしかと覚えて、
また、何かの折に、今(現に)人が言っていることも、目に見えるものも、自分の心の中のことでも、このようなことがいつかあったかなあと思われて、

いつとは思ひ出でねども、まさしくありし心地のするは、我ばかりかく思ふにや。
(それが)いつとは思い出せないけれども、確かにあった気持ちがするのは、自分だけがこのように思うのだろうか。

(第七一段)

出典

徒然草

参考

「国語総合(古典編)」三省堂
「教科書ガイド国語総合(古典編)三省堂版」文研出版

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