定積分で表された関数の決定問題の解法ポイント:積分

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定積分で表された関数の決定問題の解法ポイント

  • 定積分\displaystyle \int_a^bf(t)dtが式中に含まれる関数f(x)を求める問題です。
  • \displaystyle \int_a^bf(t)dtは定積分なので定数として扱い、関係式を解きます。

定積分で表された関数の問題

次の等式を満たす関数f(x)を求めなさい。

\[f(x)=x^2+\int_0^1(x+t)f(t)dt\]

定積分で表された関数の決定の解法の手順

  1. xを定積分の外に出します。
  2. 定積分の部分を定数に置き換えます。
  3. 定数に置き換えて表した関数を、定積分に代入します。
  4. 関係式を解いて、定数の値を求めます。

定積分で表された関数の問題の解説

定積分中の式を展開すると、

\[f(x)=x^2+\int_0^1(x+t)f(t) dt\]

\[=x^2+\int_0^1\Bigl(xf(t)+tf(t)\Bigl) dt\]

\[=x^2+\int_0^1xf(t) dt+\int_0^1tf(t) dt\]

となります。
ここで、\displaystyle \int_0^1xf(t) dttの定積分なので、xは定数として定積分の外に出すことができます。
よって、

\[f(x)=x^2+\int_0^1xf(t) dt+\int_0^1tf(t) dt\]

\[=x^2+x\int_0^1f(t) dt+\int_0^1tf(t) dt\]

と変形できます。
次に、\displaystyle \int_0^1f(t) dt\displaystyle \int_0^1tf(t) dtは定積分なので、tを含まない定数となります。

よって、\displaystyle \int_0^1f(t) dt=a,\displaystyle \int_0^1tf(t) dt=bと置き換えて

\[f(x)=x^2+x\int_0^1f(t) dt+\int_0^1tf(t) dt\]

\[=x^2+ax+b\]

と表すことができます。
f(x)xと定数a,bを用いて表すことができたので、これを
\displaystyle \int_0^1f(t) dt=a,\displaystyle \int_0^1tf(t) dt=bに代入して、aとbの関係式を導きます。

\displaystyle \int_0^1f(t) dt=aより

\[\int_0^1(t^2+at+b)dt=a\]

\[\left[\dfrac{1}{3} t^3+\dfrac{a}{2} t^2+bt \right]_0^1=a\]

\[\dfrac{1}{3}+\dfrac{a}{2}+b=a\]

\[\dfrac{a}{2}-b=\dfrac{1}{3} \dots (1)\]

が得られます。同様にして、\displaystyle \int_0^1tf(t) dt=bより

\[\int_0^1t(t^2+at+b)dt=b\]

\[\int_0^1(t^3+at^2+bt)dt=b\]

\[\left[\dfrac{1}{4} t^4+\dfrac{a}{3} t^3+\dfrac{b}{2} t^2 \right]_0^1=b\]

\[\dfrac{1}{4} +\dfrac{a}{3}+\dfrac{b}{2} =b\]

\[\dfrac{a}{3}-\dfrac{b}{2} =-\dfrac{1}{4} \dots (2)\]

が得られます。(1)、(2)を連立方程式として解くと

\[a=-5,b=-\dfrac{17}{6}\]

が得られるので、f(x)=x^2+ax+bに代入して

\[f(x)=x^2-5x-\dfrac{17}{6}\]

が求められます。

参考

チャート式 数研出版

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