2つの定積分から関数を求める際の解法のポイント:積分 

  • f(x)g(x)の定積分が式中に含まれる2つの関数f(x),g(x)を求める問題です。
  • 定積分を定数に置き換え、得られる関係式を解きます。
  • 2つの関数の和f(t)+g(t)や積f(x)g(x)の定積分の置き換え方に注意します。

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2つの定積分から関数を求める問題

次の等式を同時に満たす関数f(x),g(x)を求めなさい。

\[f(x)=x^2+\int_0^1\Bigl(f(t)+g(t)\Bigr)dt\]

\[g(x)=x+\int_0^1f(t)g(t)dt\]

2つの定積分から関数を求める解法の手順

  1. 和、積をそのままで定数に置き換えます。
  2. 定数に置き換えて表した関数を、定積分に代入します。
  3. 関係式を解いて、定数の値を求めます。

2つの定積分から関数を求める問題の解説

関数が1つの場合と同様に、定積分を定数に置き換えて関係式を解きます。この問題のように2つの関数の積の定積分がある場合、積を1つの関数とみて1つの定数に置き換えます。また、和に関しても一方の定積分だけで表された式がないので、まとめて1つの定数に置き換えると計算が簡単になります。

\[\int _0^1\Bigl(f(t)+g(t)\Bigr)dt=a\]

\[\int _0^1f(t)g(t)dt=b\]

と置くと、

\[f(x)=x^2+a,g(x)=x+b\]

と表せます。2つの関数をxと定数を用いて表すことができたので、関数が1つの場合と同様にこれらの式を定積分に代入して計算します。

\[\int _0^1\Bigl(f(t)+g(t)\Bigr)dt=aより\]

\[\int _0^1\Bigl((t^2+a)+(t+b)\Bigr)dt=a\]

\[\left [\dfrac{1}{3} t^3+\dfrac{1}{2} t^2+(a+b)t \right]_0^1=a\]

\[\dfrac{1}{3}+\dfrac{1}{2}+a+b=a\]

b=-\dfrac{5}{6}が得られます。よって、g(x)=x-\dfrac{5}{6}となるので、

\[\int _0^1f(t)g(t)dt=b\]

より

\[\int _0^1(t^2+a)(t-\dfrac{5}{6})dt=-\dfrac{5}{6}\]

\[\int _0^1(t^3-\dfrac{5}{6} t^2+at-\dfrac{5}{6} a)dt=-\dfrac{5}{6}\]

\[\left[\dfrac{1}{4} t^4-\dfrac{5}{18} t^3+\dfrac{1}{2} at^2-\dfrac{5}{6} at \right]_0^1=-\dfrac{5}{6}\]

\[\dfrac{1}{4}-\dfrac{5}{18}+\dfrac{1}{2} a-\dfrac{5}{6} a=-\dfrac{5}{6}\]

a=\dfrac{29}{12}が得られます。よって、f(x)=x^2+\dfrac{29}{12}

\[f(x)=x^2+\dfrac{29}{12},~g(x)=x-\dfrac{5}{6}\]

が解となります。

参考

チャート式 数研出版

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