恒等式の解法ポイント(複数の文字の条件式を含む場合): 式と計算

  • 条件式を満たす複数の文字の組について、式が恒等的に成り立つような定数の値を求める問題です。
  • 条件式を利用して文字を消去することで、残った文字に関する恒等式に変形します。

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恒等式の問題

3x+y-z=1,x-y+3z=1を満たすx,y,zに関して 常に等式ax^2+by^2+cz^2=1が成り立つように、定数a,b,cの値を定めなさい。

複数の文字の条件式を含む場合の解法の手順

  1. 条件式を連立方程式として解き、y,zxを用いて表します。
  2. 1の結果を、ax^2+by^2+cz^2=1に代入します。
  3. 2で得られた式はxについての恒等式となるので、同類項を比較してa,b,cの値が定められます。

恒等式の問題の解説

条件式がある場合、条件式を利用して文字数を減らします。
3x+y-z=1,x-y+3z=1 の両辺を足して、4x+2z=2 より

\[z=1-2x \dots (1)\]

となります。

これを3x+y-z=1に代入して、
3x+y-(1-2x)=1 より

\[y=2-5x \dots (2)\]

となります。

(1)、(2)をax^2+by^2+cz^2=1に代入することで、

\[ax^2+b(2-5x)^2+c(1-2x)^2=1\]

となり、式をxだけで表すことができます。
ここではy,zを消去しましたが、どの文字を消去しても答えは得られるので
なるべく計算しやすいものを選びます。

ここで、(1)、(2)から1つのxの値に関して対応するy,zの値がそれぞれ1つずつ導けるので xの値に関する条件は存在せず、すべての値をとることになります。

よって、 ax^2+b(2-5x)^2+c(1-2x)^2=1xについての恒等式となります。

左辺を展開して整理すると、

\[(a+25b+4c) x^2+(-20b-4c)x+4b+c=1\]

が得られます。この式がxについての恒等式となるので、両辺の同類項の係数を比較して

\[a+25b+4c=0\]

\[-20b-4c=0\]

\[4b+c=1\]

が成り立ちます。
これらの式を連立方程式として解いて、

\[a=5,b=-1,c=5\]

が得られます。

参考

チャート式 数研出版

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