変数を含むベクトルの大きさの最大値・最小値問題のポイント:平面上ベクトル

  • |\overrightarrow{a}+t\overrightarrow{b} |の形で表される、変数tを含むベクトルの大きさの最大値や最小値を求める問題です。
  • |\overrightarrow{a}+t\overrightarrow{b} |^2の値の変化を二次関数の最大・最小の考え方を利用して求め、その平方根をとります。

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ベクトルの大きさの最大値・最小値問題の問題

|\overrightarrow{a} |=2,|\overrightarrow{b} |=3,|\overrightarrow{a}+\overrightarrow{b} |=~\sqrt[]{\mathstrut 19}のとき、|\overrightarrow{a}-t\overrightarrow{b} |の最小値と、最小値をとるときのtの値を求めなさい。

ベクトルの大きさの最大値・最小値問題の解法の手順

  1. |\overrightarrow{a}+\overrightarrow{b} |=~\sqrt[]{\mathstrut 19}の両辺を2乗して、内積\overrightarrow{a}\cdot \overrightarrow{b}を求めます。
  2. |\overrightarrow{a}-t\overrightarrow{b} |^2を展開します。
  3. 2で展開した式に1で求めた内積を代入して、tの二次関数を導きます。
  4. 平方完成をして、tの二次関数の最小値を求めます。
  5. 4で得られた最小値の平方根が、求めるベクトルの大きさの最小値となります。

ベクトルの大きさの最大値・最小値問題の解説

まずは与えられた条件式から、\overrightarrow{a}\cdot \overrightarrow{b}を求めます。

|\overrightarrow{a}+\overrightarrow{b} |=~\sqrt[]{\mathstrut 19}の両辺を2乗すると、

\[|\overrightarrow{a} |^2+2\overrightarrow{a}\cdot \overrightarrow{b}+|\overrightarrow{b} |^2=19\]

が得られます。これに|\overrightarrow{a} |=2,|\overrightarrow{b} |=3を代入して、

\[4+2\overrightarrow{a}\cdot \overrightarrow{b}+9=19\]

整理して

\[\overrightarrow{a}\cdot \overrightarrow{b}=3\]

と求められます。

|\overrightarrow{a}-t\overrightarrow{b} |に関しても、同様に2乗して内積を用いて表すと、

\[|\overrightarrow{a}-t\overrightarrow{b} |^2\]

\[=|\overrightarrow{a} |^2-2t\overrightarrow{a}\cdot \overrightarrow{b}+t^2 |\overrightarrow{b} |^2\]

となります。

これに|\overrightarrow{a} |=2,|\overrightarrow{b} |=3と先に求めた\overrightarrow{a}\cdot \overrightarrow{b}=3を代入すると

\[4-2t\cdot 3+t^2\cdot 9\]

\[=9t^2-6t+4\]

となり、tの二次関数が得られます。

この二次関数を平方完成すると

\[9t^2-6t+4\]

\[=9\left(t-\dfrac{1}{3} \right)^2+3\]

となるので、

9t^2-6t+4t=\dfrac{1}{3}のとき最小値3をとります。

|\overrightarrow{a}+t\overrightarrow{b} |^2=9t^2-6t+4の最小値が3なので、 |\overrightarrow{a}+t\overrightarrow{b} |>0より |\overrightarrow{a}+t\overrightarrow{b} |の最小値は

\[~\sqrt[]{\mathstrut 3}\]

このときt=\dfrac{1}{3}と求められます。

参考

チャート式 数研出版

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