二次関数の最大値、最小値を求める問題(文字定数を含む場合)の場合分けのポイント

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二次関数の最大値、最小値を求める問題(文字定数を含む場合)の場合分けのポイント

  • 文字定数が含まれる二次関数について、定義域内での最大値と最小値を求める問題です。
  • 軸が定義域および定義域の中心とどのような位置関係にあるかで場合分けをします。

二次関数の最大値、最小値を求める問題

次の関数の最大値と最小値を求めなさい。

\[y=x^2-4ax+a^2+1\]

\[(-1 \leqq x \leqq 2)\]

二次関数の最大値、最小値を求める解法の手順

  1. 平方完成をして、軸を求めます。
  2. 軸と定義域の位置関係から場合分けをします。
  3. それぞれの場合の最小値を求めます。
  4. 軸と定義域の中心の位置関係から場合分けをします。
  5. それぞれの場合の最大値を求めます。

二次関数の最大値、最小値を求める問題の解説

まず平方完成をすると、

\[y=x^2-4ax+a^2+1\]

\[=x^2-4ax+4a^2-4a^2+a^2+1\]

\[=(x-2a)^2-3a^2+1\]

となります。よってこの関数のグラフは下に凸で軸はx=2aとなります。
まず、最小値を考えると、下に凸の場合、xが軸と一致するか、軸に最も近いときに最小となるので、
軸が定義域の左側のとき、内部のとき、右側のときで場合分けをします。
場合分けの際には、まず基準にする条件を述べ、それを文字定数について解いたものを述べます。
まず最小値について求めます。

(1)2a<-1すなわちa<-\dfrac{1}{2}のとき、
xが最小のときにyも最小となるので、
x=-1のとき最小値

\[(-1)^2-4a(-1)+a^2+1\]

\[=a^2+4a+2\]

(2)-1 \leqq 2a \leqq 2すなわち-\dfrac{1}{2} \leqq a \leqq 1のとき、
xが軸に重なるときにyが最小となるので、
x=2aのとき最小値

\[-3a^2+1\]

(3) 2<2aすなわち1<aのとき、
xが最大のときにyが最小となるので、
x=2のとき最小値

\[2^2-4a2+a^2+1\]

\[=a^2-8a+5\]

以上のように最小値が求められます。
次に、最大値を考えると、下に凸の場合、xが軸から最も離れたときに最大となるので、
軸と定義域の中心である\dfrac{-1+2}{2}=\dfrac{1}{2}の関係から場合分けをします。

特に軸と定義域の中心が一致する場合、文字定数の値が定まるので最大値・最小値が文字を含まない値になることに注意します。

(1) 2a<\dfrac{1}{2}すなわち a<\dfrac{1}{4}のとき、
xが最大のときにyも最大となるので、

\[x=2のとき最大値a^2-8a+5\]

(2) 2a=\dfrac{1}{2}すなわち a=\dfrac{1}{4}のとき、
定義域の両端が共に軸から最も離れた位置となるので、
x=-1,2のとき最大値

\[\left(\dfrac{1}{4} \right)^2+4\cdot \dfrac{1}{4}+2=\dfrac{49}{16}\]

(3) \dfrac{1}{2}<2aすなわち \dfrac{1}{4}<aのとき、
xが最小のときにyが最大となるので、
x=-1のとき最大値

\[a^2+4a+2\]

以上のように最大値が求められます。

(2)については、ここではx=-1のときのyの値a^2+4a+2a=\dfrac{1}{4}を代入して
最大値を求めましたが、x=2のときのyの値a^2-8a+5に代入しても求められます。
これらをまとめて、

最小値は
(a<-\dfrac{1}{2})のとき

\[a^2+4a+2\]

(-\dfrac{1}{2} \leqq a \leqq 1)のとき

\[-3a^2+1\]

(1<a)のとき

\[a^2-8a+5\]

最大値は
(a<\dfrac{1}{4})のとき

\[a^2-8a+5\]

(a=\dfrac{1}{4})のとき

\[\dfrac{49}{16}\]

(\dfrac{1}{4}<a)のとき

\[a^2+4a+2\]

となります。

参考

チャート式 数研出版

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