明治憲法の解説

  • 明治憲法は正しくは大日本帝国憲法という。
  • 現在の日本国憲法との違いに注意しよう。
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明治憲法について

明治憲法は正しくは大日本帝国憲法といい、明治22(1889)年2月11日に発布されました。発布された当時、「憲法の発布」といわれても、意味が分からないままお祭り騒ぎをしている人が多く、発音が似ているため「絹布(けんぷ)のハッピ」を天皇が国民に配ると勘違いした人もいたのだとか。

明治憲法ができた背景

明治時代に入ると、新政府は江戸幕府が諸外国と結んだ不平等条約の改正をしようとしましたが、欧米諸国は憲法も持たない発展途上の国を自国と平等に扱おうとはせず、交渉は進みませんでした。そこで政府は先進国としての体裁を整えるため、憲法の制定や国会の設立などを計画しました。一方民間からも国民の権利が強い憲法案が出ましたが、政府はそれらの案を取り入れようとせず、君主権の強いドイツからロエスレルを招聘し、ドイツの憲法を手本として憲法を制定しました。

憲法の特徴

この憲法は戦後に制定された現在の日本国憲法の前身となるものですが、大きな違いがあります。それは主権が天皇にあるという点です。天皇は神聖で不可侵の存在であり、全ての役人の任命や罷免(やめさせること)をすることができ、海外との条約の締結も天皇が行い、また軍隊の統帥権も天皇が握っていました。このように君主に主権があり、君主が定めた憲法を欽定憲法といいます。一方、現在の憲法は主権が国民にあり、天皇は日本国と日本国民統合の「象徴」にすぎず、政治的な決定権はありません。この違いをよく覚えておきましょう。

参考

浜島書店『新詳日本史』

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