3次の三角関数の最大値・最小値を求める問題のポイント

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3次の三角関数の最大値・最小値を求める問題のポイント

  • sin,cos,tanが含まれる、3次以上の関数の最大値や最小値を求める問題です。
  • 三角関数を他の文字に置き換えて微分します。
  • sincosの和・差が含まれる場合、和・差をそのまま他の文字に置き換えます。
  • sincosの積は、相互関係を利用して和・差に変形します。

3次の三角関数の最大値・最小値を求める問題

y=sin^3x-cos^3x (0 \leqq x \leqq 2\pi )の最大値と最小値を求めなさい。

3次の三角関数の最大値・最小値を求める解法の手順

  1. sinx-cosx=tと置きます。
  2. 相互関係を利用して、sinx, cosxtを用いて表します。
  3. 1、2からy=sin^3x-cos^3xtを用いて表します。
  4. 合成を利用して、tの値の範囲を求めます。
  5. 微分を利用して、3で求めた範囲での増減を調べます。
  6. 極値と定義域の両端での値を比較し、最大値と最小値を求めます。

3次の三角関数の最大値・最小値を求める問題の解説

三角関数を含む関数の場合、三角関数を他の文字に置き換えることで微分が簡単になります。
sinとcosの和・差が含まれる場合、合成によってsinだけで表すことができるので
和・差をそのままで文字に置き換えます。
まず、sinx-cosx=tと置きます。与えられた関数は

\[y=sin^3x-cos^3x\]

\[=(sinx-cosx )^3+3 sin^2 x cos x-3 sin x cos^2 x\]

\[=(sin x-cos x )^3+3 sin x cos x (sin x-cos x )\]

となるので、sin x, cos xsin x-cos x=tを用いて表すことができれば、
y=sin^3 x-cos^3 xtを用いて表すことができます。
sin x-cos x=tの両辺を2乗すると

\[(sin x-cos x )^2=t^2\]

となり、相互関係より1-2 sin x cos x=t^2なので

\[sin x cos x=-\dfrac{1}{2}t^2+\dfrac{1}{2}\]

と表せます。よって、

\[y=sin^3 x-cos^3 x\]

\[=(sin x-cos x )^3+3 sin x cos x (sin x-cos x )\]

\[=t^3+3\left(-\dfrac{1}{2} t^2+\dfrac{1}{2} \right) t\]

\[=-\dfrac{1}{2} t^3+\dfrac{3}{2} t\]

と表せます。ここで、変数がxからtに置き換わったのでtの値の範囲を求めます。
三角関数の合成を利用すると、

\[t=sin x-cos x\]

\[=~\sqrt[]{\mathstrut 2} \left( \dfrac{1}{~\sqrt[]{\mathstrut 2} } sin x-\dfrac{1}{~\sqrt[]{\mathstrut 2}} cos x \right)\]

\[=~\sqrt[]{\mathstrut 2} sin \left(x-\dfrac{\pi}{4} \right)\]

となるので、 0 \leqq x \leqq 2\piより

\[-\dfrac{\pi}{4} \leqq x-\dfrac{\pi}{4} \leqq \dfrac{7}{4} \pi\]

\[-~\sqrt[]{\mathstrut 2} \leqq ~\sqrt[]{\mathstrut 2} sin \left(x-\dfrac{\pi}{4} \right) \leqq ~\sqrt[]{\mathstrut 2}\]

よって、

\[-~\sqrt[]{\mathstrut 2} \leqq t \leqq ~\sqrt[]{\mathstrut 2}\]

となります。 tの値の範囲が求められたので、この範囲での関数の増減から、最大値と最小値を求めます。

\[y=-\dfrac{1}{2}t^3+\dfrac{3}{2} t\]

より

\[y'=-\dfrac{3}{2} t^2+\dfrac{3}{2}\]

\[y'=-\dfrac{3}{2} (t+1)(t-1)\]

となるので、tの値に対するyの増減は以下のようになります。

増減表

三角関数を含む、3次以上の関数の最大・最小を求める際のポイント

t=-~\sqrt[]{\mathstrut 2}のとき

\[y=~\sqrt[]{\mathstrut 2}-\dfrac{3}{2} ~\sqrt[]{\mathstrut 2}=-\dfrac{~\sqrt[]{\mathstrut 2}}{2}\]

t=-1のとき

\[y=\dfrac{1}{2}-\dfrac{3}{2}=-1\]

t=1のとき

\[y=\dfrac{1}{2}+\dfrac{3}{2}=2\]

t=~\sqrt[]{\mathstrut 2}のとき

\[y=-~\sqrt[]{\mathstrut 2}+\dfrac{3}{2} ~\sqrt[]{\mathstrut 2}=\dfrac{~\sqrt[]{\mathstrut 2}}{2}\]

となるので、 最大値2、最小値-1と求められます。

参考

チャート式 数研出版

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