隣接三項間漸化式の一般項を求める問題のポイント:数列

  • a_{n+2}=pa_{n+1}+qa_nと表される、隣接する3項に関する漸化式から一般項を求める問題です。
  • 特性方程式を用いて、隣接2項間の漸化式を2つ導きます。
  • 2つの漸化式を連立方程式として解くことで、一般項が求められます。

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隣接三項間漸化式の一般項を求める問題

a_1=1 , a_2=3 , a_{n+2}=6a_{n+1}-8a_nを満たす数列{a_n }の一般項を求めなさい。

隣接三項間漸化式の一般項を求める解法の手順

  1. 特性方程式を解きます。
  2. 特性方程式の解を利用して、漸化式を2通りに変形します。
  3. 2通りの漸化式から、隣接2項間の漸化式を導きます。
  4. 隣接2項間の漸化式を連立方程式として解いて、一般項を求めます。

隣接三項間漸化式の一般項を求める問題の解説

隣接3項間の漸化式a_{n+2}=pa_{n+1}+qa_nについて、x^2=px+qを特性方程式と言います。
特性方程式の解 \alpha , \beta を用いて隣接3項間の漸化式を

\[a_{n+2}- \alpha a_{n+1}= \beta (a_{n+1}- \alpha a_n )\]

\[a_{n+2}- \beta a_{n+1}= \alpha (a_{n+1}- \beta a_n )\]

の2通りに変形することができます。

a_{n+2}=6a_{n+1}+8a_nの特性方程式は

\[x^2=6x-8\]

であり、これを解くと

\[x^2-6x+8=0\]

\[(x-2)(x-4)=0\]

より

\[x=2,4\]

となります。よって、与えられた漸化式は

\[a_{n+2}-2a_{n+1}=4(a_{n+1}-2a_n )\]

\[a_{n+2}-4a_{n+1}=2(a_{n+1}-4a_n )\]

の2通りに変形できます。

次に、この2通りから隣接2項間の漸化式を導きます。
b_n=a_{n+1}-2a_nと置くと、b_1=a_2-2a_1=3-2=1であり、
a_{n+2}-2a_{n+1}=4(a_{n+1}-2a_n )より

\[b_{n+1}=4b_n\]

となるので、数列{b_n }は初項1、公比4の等比数列となります。
よって、

\[b_n=4^{n-1}\]

と表せます。

この式にb_n=a_{n+1}-2a_nを代入すると

\[a_{n+1}-2a_n=4^{n-1}\]

となり、隣接2項間の漸化式が得られます。

同様に、c_n=a_{n+1}-4a_nと置くとc_1=a_2-4a_1=3-4=-1であり、
a_{n+2}-4a_{n+1}=2(a_{n+1}-4a_n )より

\[c_{n+1}=2b_n\]

となるので、数列{c_n }は初項-1、公比2の等比数列となります。
よって、

\[c_n=-2^{n-1}\]

と表せます。

この式にc_n=a_{n+1}-4a_nを代入して、

\[a_{n+1}-4a_n=-2^{n-1}\]

が得られます。
以上より隣接2項間の漸化式が2つ得られたので、これらを連立方程式とみて解きます。

a_{n+1}-2a_n=4^{n-1}からa_{n+1}-4a_n=-2^{n-1}を引くと

\[2a_n=4^{n-1}-(-2^{n-1} )=4^{n-1}+2^{n-1}\]

となるので、

\[a_n=\dfrac{4^{n-1}+2^{n-1}}{2}\]

と求められます。

参考

数研出版 チャート式

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